美術館・ギャラリー

長沢節



二カ月ぶりに会津の芳賀さんと散歩を楽しみました。芳賀さんが日曜美術館で見た長沢節展を見ようと提案。長沢節といえば、子供の頃からファッション雑誌に必ず彼のお洒落なイラストが掲載されているのを楽しみに見ていました。細いモデルが大好きで、踝がクッキリ見えるところに彼の美学がありました。
以外なことに反骨精神旺盛な会津出身だそうです。会場は根津の弥生美術学校。一度訪ねたかった美術館なので一も二もなく賛成。根津から言問通りを東大に向かって歩き、三叉路を左に。

明治、大正にかけて、本郷界隈に菊富士ホテルという絵描きや文士が長逗留していた有名な下宿屋のようなホテルがあったそうです。この弥生美術館の塔はその菊富士ホテルを模しているそうです。小説を読むと昔の人達はよく歩いてますね。この界隈も文士達の散歩道だったのでしょうね。そういえば、昔友人が本郷荘という木造三階建ての下宿屋に部屋を借りていたことがありました。趣のあるあの建物はまだあるのでしょうか?このあたりを歩いているとタイムスリップしそうです。

ここが美術館の入り口。横にカフェがあります。

節さんの看板。

戦後の日本をお洒落に彩ってくれた沢山のイラスト。創立した学校、節モードセミナーの内部の写真。愛用していたバッグや靴なども展示してあり、一貫した彼の美意識を感じられます。芳賀さんの同級生が節さんの生家を守っているそうです。日本人離れした粋な感性はパリジャンのよう。戦後の日本人が憧れたパリの空気が漂います。時代に求められた一人ですね。

弥生式土器も発見され、水戸藩の御屋敷もあったそうです。

動きのある綺麗なイラスト。

本人と同じ172センチ。50キロ。が理想のモデルだったそうです。

墨で一気に描きます。

板倉鼎-須美子展



目黒美術館で開催されている板倉鼎-須美子展に行って来ました。先日他の美術館でこのポスターを見かけ検索したらますます見たくなって急いでやって来ました。
板倉鼎は1901年に医者の家に生まれ、東京美術学校(今の芸大) で学び卒業した翌年に須美子と結婚してアメリカ経由でパリに留学します。ロシア文学者昇ショムの長女として生まれた須美子は文化学院で山田耕作に音楽を学んでいたが、17歳で学校を中退し鼎と結婚、パリに向かいます。
二人の結婚式の媒酌人は与謝野寛、晶子夫妻だそうです。大戦と大戦の狭間、パリが憧れの地で、多くの文化人が彼の地で切磋琢磨していた時代。経済的にも文化的にも可能な環境にいた、若く美しく才能にも恵まれた二人。前途洋々、輝く光しか見えない。
1926年7月31日、午後4時のパリ。列車から降りたった若く美しい二人の日本人。画家-板倉鼎と妻-須美子。
永遠に若い二人の閃光のような物語

ポスターになった鼎の作品、(赤衣の女) 1929年。この年に二人は生まれたばかりの次女ニ三 ふみ を失くします。そればかりか、鼎自身がこの年の9月に敗血病で急死。

鼎の作品。(黒椅子による女) 1928年。
四年弱のパリ滞在。それは二人の結婚の歴史でもあり、鼎にとっては温厚な写実から、モダンで華やかな構成的な画風に変わっていき、ますます伸びやかに才能開花させていく道程でした。
音楽を学んでいた須美子は鼎の手ほどきで絵を描き始め、何物にも囚われない伸びやかさと、ナイーブな感性で筆をとり、鼎と共にサロン-ドートンヌに入選を果たしていました。


鼎の作品。(金魚) 1928年。

須美子の作品。(午後 ベル-ホノルル12) 1927〜28頃。
パリに行く前に立ち寄ったハワイでは、二人は四カ月ほど滞在し、地元の人達に暖かく迎えられ楽しい日々を過ごしたそうです。鼎は有志の後援で個展も開催したそうです。美しいホノルルという意味のこのシリーズは須美子の表現意欲を掻き立てたようです。

須美子の作品。(ベル-ホノルル 20)
夫と次女を相次いで失くした須美子は友人達の援助で幼い長女一 かず を連れて帰国。ところが翌年にはそのかず も病気で失います。
その後、再出発を期して有島生馬に改めて指導を受けて絵画への情熱を持ち続けましたが、結核を発症し、25歳で亡くなりました。
光が輝いているほど、その影が暗い。30年にも満たない二人の人生ですが、今なお褪せることがなく、永遠に若い二人の閃光のような物語は生き続けていきますね。

原美術館



以前から行きたかった原美術館に行って来ました。コンテンポラリーな作品の展示で著名な同館。友人と私、二人の見たい展示が一致したので、早速出かけてまったりした時間を過ごしました。エリザベス・ペイトン、世界中で注目されている作品の大規模な展示は日本では初めてだそうです。

アプローチに既に作品が。

昔、この辺りは御屋敷町だったろうなという名残を残している町。庭が素敵です。

館内は撮影禁止ですが、レストランから出て庭の撮影は大丈夫。






エリザベス・ペイトンは自分の憧れる人々や周りにいる親しい人々、動物、花などを独特なタッチで描いています。上手すぎず、描き過ぎないところで筆を置いている絶妙なタイミングが印象的でした。



美術館自体が私邸を改築しています。それも素敵なカーブを描いていて、舞踏室や円形出窓、中二階、意味不明な階段などがあって隅々まで探索したくなります。
この不思議なタイル張りの部屋も作家に依頼して出来た中を歩ける作品です。思わず踊りたくなります。

ハルシャ展



森美術館で開催中のハルシャ展。インド、マイソール出身のアーティストの1995年から現在に至る代表作を集めた大規模な展示。チャーミングな旅と題された展覧会の案内はハヌマーンのお仲間。


ここに来て演説をして と題された四枚組の作品。繰り返し描かれている様々な人々。ごく普通のどこでもあるプラスチック製の椅子。色々な人々が登場しているので探す楽しさが。


音声ガイドが象がいますが🐘何処にいるでしょ?と言うので探したらガネーシャ神がちょこんと座っていました。

思いがけない所にもいました。


空を見つめる人々

天井に鏡が貼られているので床に展示された作品の上に立つと自分も作品の一部に。


小学生達と行ったワークショップ。イキイキしたシャツ。


インドの仕立て屋さん。足踏みミシンを使いこなしてます。

ミシンの上に国連加盟国193国の旗が。


空を指差す猿達は、何を言いたいのだろうか?




寝る人も作品の中にたくさん登場します。連続して描かれるとメッセージ性がより強くなってきます。


ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ と題された全長24メートルの作品。宇宙空間が描かれていてミクロからマクロの旅の集大成。

美術館を出た後の下りエレベーターの近くの壁に描かれた市井の人々。ハルシャが影響を受けた若冲の名前があります。
期待していなかったインドのモダンアート。こんなに楽しい旅ができるとは思わなかった。






草間彌生



今日は26日に出演する小林さんと渡辺さんが二人でレッスンに。会場を想定してリハーサルが出来ました。色々打ち合わせも出来ました。なんと渡辺さんは帰りがけに会場の下見もして来たそうです。今夜は衣装にアイロンもかけて準備万端整えましょう。
こんなレアな企画はなかなか実現できません。当日は思いっきり楽しみたいなと思います。
夕方、会津の友人と東京駅で待ち合わせ。友人は栗橋の先生に書を見てもらってから新国立美術館で草間彌生を楽しんで来ました。五年前に埼玉からスタートしたこの楽しい展覧会は、創作意欲旺盛な作家のおかげでアメーバのように増殖を続けているのではと妄想が膨らんでいます。


今日が初日だけれど、平日だしスムーズに展覧会は楽しめたそうです。ところが、関連グッズを買おうと並んだら長蛇の列で1時間以上待たされたそうです。余裕で間に合うと思っていたらまさかの展開。大幅遅刻のお詫びに頂いた紅茶は、乾燥かぼちゃ🎃のフレーバーティー。缶フェチの心くすぐるかぼちゃプリント。
展覧会、早く行きたいな。

ラスコーの壁画



小学生の時、外国に行くとしたらどこに行きたいと聞かれてハワイと答えた私。クラスメイトのまりちゃんがいつかラスコーに行きたいと言うのを聞いてなんてロマンチックな人なんだろうと子供心に感心したのをおぼえています。そのラスコー展が科学博物館で開催。これは行かなくてはと思いながら、ズルズルと。終了まじかになって慌てて行ってきました。科学博物館を訪ねること自体がひょっとして小学校以来かも。
洞窟壁画の最高傑作と言われているこの壁画は今から二万年前にクロマニヨン人に依って描かれました。
ラスコーの洞穴は発見されてからたくさんの人が訪れたために人間の排出する二酸化炭素でバクテリアやかびが生じたために完全封鎖されて、近くに全く同寸の洞窟を作り、観光客を呼び寄せているそうです。今回のこの展覧会も壁画はもちろんレプリカです。今までここが最古と思われていたけれど近くに3万年前の洞窟壁画が発見されました。その記録映画をみたことがあります。絵自体はもちろんラスコーの方が写実性に富んでいますが、人間のコツコツと描き続け伝えようとする能力にどちらも圧倒されます。


お出迎えしてくれたのは壁画を描いたクロマニヨン人。皆さん 美形。

クロマニヨンは今と同じ形の縫針を使っておしゃれな服やビーズの帽子を楽しんでいたようです。



芸大が協力して制作した洞窟模型。同寸で描かれた壁画は暗闇の中でミステリアス。


平日の午前中にもかかわらずとても混んでいます。皆、洞窟好き?





上の壁画の説明。人間のような姿も。何?とり人間。

オイルランプを灯して鉱物などで作った顔料で描かれた沢山の動物たち。天井あたりにも描かれており、皆で協力して気の遠くなるような作業を行ったのでしょう。連綿と続くこの描くと言う行為は喜びであり、祈りだったのだなと思えます。



動物たちの姿はどれも躍動的。

これは槍の取手。こんなところもおしゃれ。

クロマニヨン人の観察 力、 描写力に脱帽。面白い展覧会だけれど、もう少し壁画が見たい。どうしても科学という枠でとらえるので学術的な展示が多くなるのでしょう。美術的な壁画中心の展覧会を期待していたので少し肩透かしな気分。 まりちゃんはこの展覧会見にきたかしら?

クラーナハ



閉館ギリギリのある日、誘われて国立西洋美術館にクラーナハを見に行きました。

今日は8時まで開いているので夕方からもたくさんの人が…。

ここはひょっとして我が家から一番近い世界遺産。でも、全部が世界遺産ではなくてコルビジェが設計した古い部分だけ。新しく増設された部分は違います。

ホロフェルネスの首を持つユディト。 この展覧会に間に合うよう三年かけて修復されたそうです。この時代の絵は木の板に描かれているので微調整された副え木で裏打ちされ、当時の輝きを取り戻した作品をまじかで見ることができました。国を守るため敵将軍と夜を共に過ごし酔わせて寝首をかいた美女。不思議なまなざし。

聖女カタリナの殉教。 黒雲と天からの雷鳴、カタリナを取り押さえる宇宙服を着たような兵士。ひっくり返った馬車。カタリナの運命は?


ディアナとアクタイオン 一枚の絵にドラマが全部描かれて今津。右上に狩をしているアクタイオン一行。ディアナとニンフ達が沐浴しているのを盗み見たために鹿に帰られ、自分の犬達に噛み殺されるという残酷なお話。

面白い部屋がありました。壁いっぱいに 正義の寓意 (ユスティティア) というタイトルの女性の絵の模写が90枚。中国の模写をする画工の村にイラン人のアーティストが訪れ百人に6時間で写真を見ながら模写させるというインスタレーションを行なってその中の90枚を展示。皆そっくりに描こうとしているのに皆違って個性的。選ばれなかった10枚の存在が気になる。上手すぎて売れちゃった?

ク ラーナハという画家に特に興味はなかったけれど誘われるものは見るべき。面白い展示でした。500年前のドイツで大きな工房を開いて大成功した画家。 宗教改革を起こしたマルティン・ルターと親交があって彼の改革を応援。本やチラシを手がけたそうです。今で言う広告代理店。
クラーナハの描く女性その頃描かれていた豊満な女性とは違う平坦な胸のちょっと変わったプロポーション。そしてどこを見ているのかわからない謎めいた眼差しと表情。岸田劉生の麗子を連想させます。実際、岸田劉生はクラーナハの絵に刺激を受けていたと展示されていたその頃の美術雑誌に載っていました。なるほどねー。

遠藤茂子あらい画廊




京橋の古いビル地下二階にあるあらい画廊。むき出しの白い壁は無造作なのに冷たい印象を与えない。なんだかホッとする柔らかな空間です。この画廊で開催された友人の個展に行ってきました。サムホールの小さな作品から大作まで。蜜蝋と和紙を重ねたデリケートなマチュエール。

重厚な作品から

軽快な作品まで



若い頃はどんなに大胆な発想を持っても怖くなかった。最近は自問するという。こんなのでいいのだろうか? と。その気持ちよくわかる。物の道理なんて少しわかってくると自分を束縛しかけない。それでも新しい発想を産み出す苦しみから逃れるわけにはいかないのがアーティストたる所以。

でもきっと新しく人生を選択できることがあっても彼女は産み出す苦しみのある人生を選ぶでしょうね。

Frida is



資生堂ギャラリーで開催中の Frida is 写真家の石内都さんが撮影したフリーダ・カーロの遺品の写真展。
フリーダが愛しんだ品々を写真家の慈しむ眼差しがとらえた美しい写真。
フリーダが亡くなってから50年の間、バスルームに封印されていた遺品。彼女の生家である青い家と呼ばれる博物館の依頼で石内都さんが彼女ならではの視点で撮影したフリーダの生きた証。
石内都さんが撮影している状況を撮影したドキュメント映画が公開されました。好評だったそうで、13日からアップリンクで再公開されます。

ギャラリーの壁も赤と青と黄色。優しいピンクとカラフルで綺麗。フリーダが愛した美しい品々をより美しく見せてくれます。


美しい愛用品の中には痛む身体を締め付けるコルセットや、足を切断した後の義足。左右のサイズが違う靴などがあって、画家の誇り高い、情熱的な生き様とともにいつも同居していた痛みを思い起こさせます。




余りにもサイズの違う靴。

彼女の日記帳。


コルセットなしでは身体を支えられなかった。

写真家の眼差しが優しいので痛みを止めるモルヒネまでも美しい。遺品の写真を通してそこにその持ち主の存在と、撮影した人の思いが絡まっているようです。

毎日書道展



新国立美術館で開催している毎日書道展。毎年たくさんの人が公募し作品が展示され、全国を回ります。若い出品者も増えていて書道の裾野が広がりを見せています。昨年はパリで選抜作品が展示されて大好評だったそうです。
今夏の企画展示は「今こそ 臨書」 今日の毎日展を築いた先人の書 が展示されていて見ごたえあります。臨書とは古典を学ぶこと。古えの作品をお手本にそこから何を読み取るか。己の書の技を高め、表現を深化させ、自己の書の確立を求めて古典を学ぶ。道を極めるための努力はどの道でも同じ。まさに刻苦勉励。小林抱牛、手島右卿、金子鴎亭など馴染みある方達の臨書が拝見出来ます。

会津のHさんも、所属している独立とは別に公募しています。

彼女の今回の出品作品。秀作賞を受賞しました。「感」

地道にコツコツが私達のモットー。お互いに好きなことがやれて良かった。
彼女が個人指導を受けている先生とばったりお会いしてお茶をご馳走になりました。先生は全国を回り指導したり、会の取りまとめを行ったりとお忙しいけれど、ご自分の作品にもしっかり向き合ってそれこそ刻苦勉励。自分だけだと世界が限られてしまうが、いろいろな人や違うジャンルのものを見たり、知ることが自分の幅を広げるのに大切だとおっしゃいました。私も大賛成。先生も気さくで好奇心旺盛とみました。

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