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2017年3月

茶碗の中の宇宙



利休からの依頼で轆轤を使わずに手捻りで作陶するスタイルを継承している楽焼。豊富秀吉が楽焼と命名し、徳川家から印を与えられ現在まで脈絡と続く楽家の焼き物の歴史を探る展覧会です。

近代美術館の講義室で行なわれたのは楽家十五代当主楽吉左衛門氏と坂東玉三郎氏の対談。小林さんご夫婦が応募したけれど一枚しか当選しなかったために私に応募券が回って来ました。
私は焼き物には余り興味がないけれど、楽焼が手捻りだということ、一子相伝だということを知って俄然興味を持ち喜んでやって参りました。対談自体はそんなに興奮するほどのこともなく、赤と黒の釉薬や焼く温度の違いや、火入れ当日の大変な様子など。玉三郎が佐渡で焼き物をやっていることなどが語られましたが、ナビがいないので話の展開がゆるくて、もっとスリリングな話が出てくるのではという期待は外れましたが、展覧会は素晴らしいです。


今回の展示では利休が愛した7つの茶碗が一同に。
利休から依頼を受けた長次郎によって創造された楽茶碗。絢爛豪華な文化を誇った安土桃山時代に、全ての装飾を削ぎ落として、茶碗の見込みの中に無限の世界をイメージさせた、まさにその時代のアバンギャルド。
一子相伝というなんともミステリアスな継承法。現在の当主はそのお父上から直接教えてもらわず、書き物も残されなかったそうです。ただ自分の背中と仕事を見せてくれ、伝統とは受け継ぐだけでなく、己が己の時代に生きて、己の世界を切り開くべきだ。と教えられたそうです。
450年に渡って受け継がれ、その時代の当主達が先代と違う表現を模索してきた不連続の連続によって生まれた作品達はどれも内なる光を放っています。


撮影コーナー。初代長次郎作、黒楽茶碗 銘 万代屋黒 もずやぐろ の3Dコピー。アルミ製なので実物より200グラム重いそうです。

手に取って遊べます。

原美術館



以前から行きたかった原美術館に行って来ました。コンテンポラリーな作品の展示で著名な同館。友人と私、二人の見たい展示が一致したので、早速出かけてまったりした時間を過ごしました。エリザベス・ペイトン、世界中で注目されている作品の大規模な展示は日本では初めてだそうです。

アプローチに既に作品が。

昔、この辺りは御屋敷町だったろうなという名残を残している町。庭が素敵です。

館内は撮影禁止ですが、レストランから出て庭の撮影は大丈夫。






エリザベス・ペイトンは自分の憧れる人々や周りにいる親しい人々、動物、花などを独特なタッチで描いています。上手すぎず、描き過ぎないところで筆を置いている絶妙なタイミングが印象的でした。



美術館自体が私邸を改築しています。それも素敵なカーブを描いていて、舞踏室や円形出窓、中二階、意味不明な階段などがあって隅々まで探索したくなります。
この不思議なタイル張りの部屋も作家に依頼して出来た中を歩ける作品です。思わず踊りたくなります。

ハルシャ展



森美術館で開催中のハルシャ展。インド、マイソール出身のアーティストの1995年から現在に至る代表作を集めた大規模な展示。チャーミングな旅と題された展覧会の案内はハヌマーンのお仲間。


ここに来て演説をして と題された四枚組の作品。繰り返し描かれている様々な人々。ごく普通のどこでもあるプラスチック製の椅子。色々な人々が登場しているので探す楽しさが。


音声ガイドが象がいますが🐘何処にいるでしょ?と言うので探したらガネーシャ神がちょこんと座っていました。

思いがけない所にもいました。


空を見つめる人々

天井に鏡が貼られているので床に展示された作品の上に立つと自分も作品の一部に。


小学生達と行ったワークショップ。イキイキしたシャツ。


インドの仕立て屋さん。足踏みミシンを使いこなしてます。

ミシンの上に国連加盟国193国の旗が。


空を指差す猿達は、何を言いたいのだろうか?




寝る人も作品の中にたくさん登場します。連続して描かれるとメッセージ性がより強くなってきます。


ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ と題された全長24メートルの作品。宇宙空間が描かれていてミクロからマクロの旅の集大成。

美術館を出た後の下りエレベーターの近くの壁に描かれた市井の人々。ハルシャが影響を受けた若冲の名前があります。
期待していなかったインドのモダンアート。こんなに楽しい旅ができるとは思わなかった。






春があちこち



だいぶ陽も伸びて、春の気配があちこちに。


リフレ教室の庭にはツクシがニョキニョキ顔を出しています。

文楽シネマ



歌舞伎シネマはポピュラーになったけれど、今朝、東京写真美術館ホールまで出掛けて見たのは文楽シネマ。朝一回だけの上映。しかも今月一杯ということで慌てて見に行きました。

この映画は日本の伝統文化、特に人形浄瑠璃-文楽に魅了されたカナダ出身のマーティ-グロス監督が文楽の演者達の協力を得て制作した作品。38年前に太秦でセットを作って撮影されたそうです。主要な出演者10名が人間国宝に認定されており、すでにご逝去された方も多く、昭和を代表する文楽名人の至芸を堪能出来ます。


演目は冥土の飛脚。遊女梅川と飛脚問屋の後継養子忠兵衛の駆け落ち物語。
世界には人形劇はたくさんあるけれど、こんなに表情豊かで、人情の機微を表現できる人形遣いはないですね。忠兵衛を遣っているのは立役の最高峰と歌われた初代吉田玉男。さすがの色気。男のプライドを傷つけられた忠兵衛がかっとなって公金の封を切ってしまう場面。人間と人形が同化していました。
淡路町の段。封印切りの段。新口村の段。の三段で構成されていますが、どの段の太夫も三味線も素晴らしくて、改めて義太夫の迫力に感嘆しました。
この映画は海外で上映されたものの日本では劇場公開されなかったそうで、幻の文楽映画と呼ばれていたそうです。2010年にデジタルリマスターされて2011年3月に同ホールで公開されたそうです。震災の時期と重なりますね。やっと公開されたにしても大変だったことでしょう。今回少しでも多くの人が見ることができるといいですね。
駅の近くにカレー屋さんを見かけて思わず吸い込まれてしまう。来週インドへ行くのに、うっかりしてた。

シブァラートゥリーその参



コンサートも大詰め。第3部のスタートは武井充江さん。

関西からいらしてくださったルクミニナオコさん。

タゴールダンスの吉田千恵子さんの優雅な舞。

続いて竹内麻子さん。

音響の仕事をこなし、ダンスも頑張った関内香織さん。

ご自分の照明機材を搬入して綺麗な舞台作りに貢献して下さった山元彩子さん。トリに相応しい素晴らしいティラナ。
今回延命寺で執り行なわれたシブァラートゥリー。たくさんのダンサーにより奉納された舞はシブァ神の御身許に届いたと確信いたしました。見守って下さった観客の皆様の暖かい視線。そしてお帰りになられる際の柔らかな笑顔が何よりも物語っていたと思います。
ご心配をおかけしました事務局の分離、会場変更などにも迷うことなく、シブァ神への熱い思いを抱いて参加下さったダンサーの皆様に改めて感謝いたします。
ダンサー自ら行なった朝早くからの会場設営。四時間にも及ぶ奉納舞。その後での会場撤収。すべてに自主的な意思、そして舞踊に対する真摯な思いを感じ、改めて日本のインド舞踊界の明るい未来を思いました。
初めから企てられたシブァ神の計らいではないかと思うような成り行き。すべて収まるところに収まったのではないかと思えます。
終わり良ければすべて良し。インドを旅していていつも思うこの言葉は、今回の私達の会に見事しっくりと当てはまります。参加下さったダンサー、観客の皆様とご一緒に過ごしたこの豊かなひととき。ありがとうございました。

ソプラノを楽しむ夜



今夜は文化会館で開催される板波利加さんのソプラノリサイタルに行きました。姉との待ち合わせは近くのパークサイドテラス。だいぶ陽が伸びて来たのでそぞろ歩く人達も。

席を予約して待つ間、同じくメニューを眺めていたご婦人とおしゃべり。展覧会をご覧になってきたのかと伺ったら上野高校の卒業生で久しぶりに母校を訪ねてきたそう。すっかり雰囲気が変わっていて面影がなかったそうな。上野高校卒の先輩がいたなと遠い記憶が。
店の雰囲気がいいのでちょっと寄ってみたくなったそうです。
食事して店を出た時にまたお会いしました。お友達と一緒に出かけられて羨ましいわと。姉妹なんですよと言うともっといいわと。考えたこともなかったので思わず姉と目を合わせてしまいました。私も今度妹と新潟へ行くのよと嬉しそうに。袖すり合うも多生の縁。楽しい旅をして来てね。

文化会館の小ホールに今夜の案内が。


桑野進さんの描かれた利加さん。一瞬戸川昌子さんかと思いました。

日本では二期会に所属していますが、イタリア、ウィーンで長いこと活躍されていました。23年振りに向こうを引き払って帰国したそうです。外国で活躍するには才能はもちろんだけれど、負けん気とラック、ある種の愛嬌もないと難しいでしょうね。
今夜のプログラム。第1部は『7つの夢』と題して優しい春の香りのするトスティの4月に始まり、『最後の歌』『夢』と続き、レスピーギの『最後の陶酔』『朝』で徐々に加速して官能的に。プッチーニの『つばめ』で年下の恋人を思う心を悩ましく『蝶々夫人』で夫を待つ幼い妻の一途な愛を切々と歌いあげました。
第2部は『7つの欲望』と題して、軽やかにコケティッシュにユーモアと毒も交えたキャバレーソング。20世紀初頭のウィーンで活躍したシェーンベルクの歌を6曲。『可愛い女の子達の周りを飛び跳ねて、人生楽しく過ごしたい。オレのハートを鳴らすんだ。バムバムってね。』思わず吹き出しそうになる楽しい曲。
最後の欲望の曲はシュトラウスのサロメ。ヨカナーンの首を手に入れて、その首に話し掛けるサロメ。歌い始める前からサロメに成り切っての妖しい姿。血の匂いがしてきそうな迫力ある歌声を堪能しました。

舞台を降りるとにこやかで可愛いらしい。

衣装を変えるたびにウィッグも変えて目を楽しませてくれます。

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