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ラ・バヤデール



暖かい気持ちのいい午後。上野は美術館、博物館、動物園、公園を訪れる人たちで大賑わい。私は今日は2回目のK・バレエカンパニーを楽しみました。


『ラ・バヤデール』熊川哲也が若干17歳で ブロンズ・アイドルに抜擢され、その後主人公の若き勇士ソロルを演じてプリンシパルの座を得たという、彼にとって思い入れの大きな作品です。
バヤデールというのは古代インドの神殿に使える舞姫の呼び名だそうです。私達がデーヴァダーシと呼んでいる巫女のような存在でしょう。舞姫ニキヤと勇士ソロルは愛し合っていたが、ソロルは太守の娘ガムザッティとの結婚を命じられる。その婚約式で祝いの舞を捧げていたニキヤはガムザッティ の企みで毒蛇に噛まれて死んでしまいます。罪の呵責からアヘンに溺れたソロルは幻想の中でニキヤと再会します。これが第二部の『影の王国』です。それを象徴するのがコールドバレエと呼ばれる群舞。舞台背面の小高い岩陰から次々と白い衣装のダンサーが横向きで登場し後ろ足を高く上げてポーズをとり、二歩進んではまた足をあげる。これを延々と坂を下りステージに整列するまで繰り返します。これが圧巻。体型も化粧も揃っていてまるでクローンのような24名が、息を揃えシンクロして並んでいる姿には感動します。影の王国は神の怒り に触れて崩壊。ニキヤとソロルは天国で結ばれるシーンで、幕になります。この美しい群舞にノックアウトされた私に 、友人があなたたちの群舞は体型も衣装もそれぞれを主張していてある意味感動的と励まされました❓


カンパニーの関係者のお話では 熊川哲也氏はステージのセットも妥協せずいい物を作るので、再演しないと大変だそうです。今回もセットも大掛かりで、素晴らしかった。この大きな象もステージを一回横切るだけでした 。でもその存在感は大。寺院のセットも奥行きが感じられてまるでマドライのシヴァ寺院にいるような雰囲気を醸していました。皆細っそりしたダンサーの中でオレンジ色の僧衣の僧侶達がちょっとムッチリしていたのがリアルでした。三日月を額に掲げたサドゥーや勇士の役の男性ダンサーのジャンプ力の凄さ。完全に空中で止まっています。

この作品は頻繁に上演されることはないけれど、バレエの古典として外せないそうです。優れた作品には生と死を結ぶ場面が必ず登場するそうです。後半の影の王国では死を象徴しています。前半の華やかな宮廷の場面は生を象徴。そしてこの生と死を並べて対比を際立たせることで後のバレエの雛形になり得たそうです。
どうしても西洋から見たエキゾチックなインドのステレオタイプな場面を感じる部分もあるけれど、古典として磨かれてきた作品にはそれがどうしたと言わせる迫力があります。


これは伝説のダンサー 、ラーム・ゴーパールがロンドンのヴィクトリア&アルバートミュージアムで公演した時の衣装。今回のブロンズ・アイドルもこれによく似たコスチュームで金粉を全身に 塗って登場。美しかったです。

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