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2016年6月

狐忠信



義経千本桜は『菅原伝授手習鑑』『仮名手本忠臣蔵』と並ぶ歌舞伎三大義太夫狂言だそうです。昨年春に菅原伝授手習鑑が通し狂言公演が行われ、私も通しで見る機会があったので、一日中歌舞伎座の中で過ごすという贅沢な経験をしました。今回は朝、昼、夜の三部構成。遠くから見に来る方達の中には1日でという方もいるのでしょうね。私は昼の部を友人と見ました。どうしても夜の部が見たくなって銀座のチケット屋を覗いてみたらまさにいいタイミングのチケットがありました。夜の部は新歌舞伎座になって初めての猿之助が勤める宙乗り狐六法が演じられます。これを楽しむのに一番いい席は何と言っても3階席の一番前。私が見つけたチケットがまさに一番前のど真ん中。1500円のプレミア付きは仕方ない。これを手に入れて楽しみに待っていました。

狐忠信の第一幕は『道行初音旅』桜の花が満開の吉野山。都を追われた義経の後を追って旅をしている染五郎演じる静御前が艶やかに登場。染五郎は立役なのでこういう女性はニンでないと言われているけれど、とても美しいです。見ていないけれど、朝の部の壮絶な死に様を見せる平家の武将。昼の部ではかくまわれている 平家の貴公子。1日で全くキャラクターの異なる役を演じているわけで役者って凄いですね。
そこへやってきたのがお供の忠信(猿之助) 花道のスッポンから不意に現れました。実はこの忠信は狐が忠信の姿に化けています。静御前が義経から預かっている天皇から拝領した初音の鼓。これは両親の皮を剥いで張った鼓なので、この狐忠信はなんとしてでもこの鼓を手に入れて両親の供養をしたいと思っています。この鼓を手に二人で舞いながら、壇ノ浦の合戦の様子を物語っているとそこへ鎌倉方の追っ手が。猿弥演じるこの追っ手、逸見藤太が3枚目のキャラクターで楽しませてくれます。
追っ手を難なく追いはらいますが、どさくさで静御前とはぐれてしまった狐忠信。静御前と鼓を追いかけて去っていくところでこの幕終わり。
忠信が鼓を手にして愛しそうに頬ずりする様子がなんとも言えない。折々に狐らしさを出してしまい、はっとする様子も可愛い。猿之助が好きという友人に見せてあげたい。


二幕目は『川連法眼館』吉野の川連法眼の館に匿われている義経の元に本物の佐藤忠信が参上します。義経が静御前の行方を訪ねますが、もちろん知りません。そこへ静御前が到着。はぐれたはずの忠信を見て驚きますが、そこへもう一人の忠信がやってきます。不審に思った義経が詮議をするとこの忠信は初音の鼓の皮になった狐の子どもであることがわかり、親を思う子ども の情愛に打たれた義経は源九郎という我が名前とともに鼓を与えます。喜んだ源九郎狐は鼓を手にして古巣へと飛び立っていきます。お話としては単純だけれど、見せ場だらけで観客の喜ぶこと。
狐忠信が不意に階段から出没するかと思えば、一瞬にして狐の姿に早変わりして欄間から落ちて来たり、廊下の欄干を渡ったりとまさに神出鬼没。
最大の見せ場はステージから天井桟敷に張ったワイヤーに乗っての宙乗り。桜吹雪の中で鼓を手にして嬉しそうに狐六法で空の彼方へ消えていく姿に喜んだ観客の拍手で会場がうねりました。

よく見るとワイヤーが見えます。


今日隣に座った方は奈良から毎月見に来るそうです。朝から通しで見ているので少々お疲れ気味。狐の顔の金太郎飴を記念に下さいました。なんと京都伏見稲荷の飴。ハワイでメイドインジャパンの土産を買うようなものだと大笑い。肩に止まった桜の花びらと一緒にお土産に持って帰りました。

今日の練習

今日は里風鈴の練習に高崎から三人プラスワンで参加。三時間の練習中に何度かおんぶされたけれども、総じてとても大人しくていい子でした。
ママの背中でいつの間にか寝ています。母は足腰が強くなりますね。
踊っている背中ですやすや。なんてタフな赤ちゃん。

公演まで二ヶ月半。なかなか全員で揃って練習できないのが辛いところ。各自が舞台の上の俯瞰図を想像できるように。

ママと僕は足の人差し指が親指よりも長いギリシャ型と判明。日本人には珍しいタイプだそうです。ところがこのクラスにはもう二人いました。
会うたびに大きくなってビックリします。

今日のおやつは井上さんご自慢のクランベリーチーズケーキ。美味しい。パンとお菓子の腕前はすごい。ジャムは本職。皆、楽しみにしています。

いがみの権太




雨に濡れる歌舞伎座。今月は義経千本桜の通し狂言。朝、昼、夜と三部上演。昼の部『いがみの権太』を見に来ました。


一幕目は『木の実』三位中将平維盛の行方を捜している若葉の内侍(東蔵)。若君の六代。そしてお供の主馬小金吾(尾上松也)。維盛が高野山にいると聞いた三人は高野山に行く途中、吉野の下市村に行く途中の茶店で休んでいました。店の女将(秀太郎)は若君のための腹藥を貰いに行くので店番を頼んで寺へ出かけていきました。そこへやってきたのが無頼漢の権太。実はこの店の女将は権太の女房です。旅の三人は栃の実がたくさん落ちているので拾っていました。それを見た権太は落ちている実は鳥に喰われているから木から落とした方がいいと言って石を投げて木の実を落として上げます。そしてわざと荷物を間違えて立ち去ります。木の実取りも一段落。さてと小金吾が荷物を見ると取り違えられているではないか。中をあけてみるとからっぽ。あの男めといきり立ったところへ権太が慌てて引き返してきます。同じような振り分け荷物。うっかり間違えてしまいました。どうぞ中をお確かめ下さい。と丁寧に謝ります。中身は無事。ではこれでと小金吾が立ち上がると、自分の荷物を調べたのなら、あっしの荷物も改めさせて貰いやす。こう言って自分の荷物を開け、20両なくなっていると騒ぐ。ここから権太の本領発揮。幸四郎はいい人ぶって実は悪というキャラクターが上手い。声の質なのか凄みがある。
騙りと知りながら、みすみす二十両とられるとは、申し訳ありませんと嘆く小金吾。こういう男にあったのが災難。早く離れて忘れましょうと道をいそぐ三人。
そこへ帰ってきた女将と息子。親子三人が仲良く家路につくシーンに味わいがある。秀太郎は出番が少なくても存在感抜群。印象に残る役者ですね。
その頃、平家討伐の追っ手が迫り、小金吾は若葉の内侍と若君を逃し、大立ち回りの挙句討ち死にしてしまいます。この闇夜の戦いのシーンは小気味良い役者の動きと、綾取りの様に巧みに変化する追っ手縄の動きとが合間って躍動感溢れるいい一幕。松也は見るたびに成長している感がある。
討ち死にした小金吾が横たわっているところへたまたま通りかかったのが権太の父で、すし屋の親父、弥左衛門。実は彼は維盛の父重盛(平清盛の息子) に恩義があるので維盛を下男の弥助としてかくまっている。その弥左衛門が小金吾の死体を見つけて閃いたのはこの首が何かの時に役に立つかもしれないということ。刀を打ち下ろし小金吾の首をいただくことに。
以前菊五郎のいがみの権太を観た時は小金吾討ち死にの幕がなかったので、会合帰りの弥左衛門が拾った首を家に持って帰りすし桶の中に隠すというシュールな展開でした。今回この幕を見たのでそれぞれの性格、関係、主義も良く分かってより面白く見ることができました。


すし屋の店では勘当された権太が父の不在を確認して母親に無心に来てまんまと大金を手に。ところが帰ろうとした時に父親の姿を見かけ慌てて金を並んでいるすし桶の中に隠し家を出て行きます。そこへ帰ってきた弥左衛門。背中に隠した首をやはりすし桶の中に隠します。これはまさに観客の喜ぶ設定。そのあと戻った権太はお約束通り間違えて首の入った桶を持って帰ります。この時権太がすし桶を抱えて花道で大見得を切るところが悪党だけれど憎めない権太の魅力全開。
一方すし屋の娘お里(猿之助)は弥助(染五郎)に惚れている。親達はゆくゆくは夫婦にと考えているが当の弥助は二婦にまみえずの思いを貫いているのでお里の思いは叶わない。この場面のお里の口説きが見もの。猿之助のお里は明るくて可愛い。
夜更けに宿を乞う声が聞こえ戸を開けると若葉の内侍と六代の姿が。夫婦親子の再会となる。鎌倉から維盛詮議のため梶原景時が来るというので、すべてを察したお里が三人を逃します。
梶原景時がやってきてすし屋の店で詮議が始まるとやってきた権太。維盛を打ったと首を差し出し、おまけに若葉の内侍と六代をお縄にして連れてきます。景時は首を確認、ほうびの陣羽織を権太に与えて親子を引っ立てて行きます。
怒った弥左衛門が権太を刺してしまいます。虫の息の権太がここで思いがけない真実を告白。なんと維盛の首と言って差し出したのは例の小金吾の首。そして連行された親子は権太の女房と息子だと言うのです。悪党だけれど実は親父が大好きな息子。そこへやってきた本物の維盛。実は褒美にもらった陣羽織の裏には維盛を出家させよという暗示があり、維盛はそれを受けて出家する。景時、いや鎌倉幕府はこのカラクリを知っていて権太の命を犠牲にしても維盛が死んだと言うことを天下に知らしめることが大切だったという内情が。





これは今回の義経千本桜の通し狂言の人物相関図のパンフレット。第一部のヒーロー、碇知盛。第二部のいがみの権太。第三部の源九郎狐。相関図のおかげでようやくそれぞれの人間関係が掴めます。

今日は昼の部なので幕間の休憩時間が短い。歌舞伎座の裏にある歌舞伎そばで腹ごしらえしましょうと初めて行ってみました。カウンターだけの狭い店内は満席だけれど、すぐ席が空きます。一番お勧めの天ざる。安くて美味しい。

書道三昧

銀座の清月堂ギャラリーで開かれている書道の作品展に古い知人が出品していると聞いて訪れました。リニューアルされたサッポロビルの裏にあるお洒落れなギャラリー。会場で会津から上京してきたHさんと待ち合わせ。この知人はHさんの短大時代の友人で、どういうわけか昔私が油絵を教えていたことがあるのです。インド舞踊を始める前のあまりに古い話なので、夢のよう。

このビルが経営しているギャラリーなのでしょう。空間が贅沢。

出品者それぞれの思いのこもった字。知人の選んだ字は翔。


流麗なかな文字。

会場は賑わっていました。
続いてHさんが上野の東京都美術館で開催中の独立書道展に作品を出しているので、そちらへ移動。この作品はHさんと同じ研究会で勉強している方の作品。小品だけの公募作品展示室。
この作品がHさんの今回の出品作。「感」力強くて墨の色が綺麗。
お世話になっている先生が講評してくださいました。

SOS in アフガニスタン

今東博で開催中の『黄金のアフガニスタン』展のつながりで藝大の陳列館で開かれているバーミヤン大仏天井壁画展 流出文化財とともに 。2001年にタリバンの攻撃で破壊されたバーミアーン東西の大仏。その室の天崖を飾っていた壁画を復元して展示されているそうです。国立カブール博物館で破壊、略奪され国外に流出した所蔵品も何点か文化財難民とされ陳列されているそうです。これはぜひ拝見しなくては。

陳列館はこちら。
平山郁夫画伯の東西の大仏の作品。この美しい絵で面影を偲びます。バーミヤンに住むイスラムの人びとはこの東西の大仏をお父さん、お母さんと呼んで親しんでいたそうです。宗教を超えて愛されていた大仏が破壊されたニュースは世界中にショックを与えました。あれは序章で益々蛮行が世界中で繰り広げられ、あの頃よりも嫌なニュースが世界を巡っているように思えます。
1973年、早春のバーミヤン風景。失われたものは大きい。

今回の復元では、制作された頃の本来の色味も復元。青はラピスの青。四頭の馬に引かれた天翔ける太陽神。インドではスーリヤ神として信仰されています。流出した文化財は国立銀行の金庫室で保護されていた『バクトリアの遺宝』とともに世界各地で展示されてからアフガニスタンに戻るそうです。
アフガニスタン国立博物館の壁には【自らの文化が生き続ける限り、その国は生きながらえる】と言う言葉が掲げられているそうです。ほんとうに自国の文化がないがしろにされ、なくなるほど悲しいことはないだろうと思う。この復元された天井壁画もどこかに展示されることを祈ります。

武器ではなく、庭園。造るひとが好き。

谷中のザ・エスノース・ギャラリーで開催中の渡邊真砂さんの布と紙のコラージュ展です。さて魔女は今回どんな世界を展開してくれるのか?

楽園の入口。
今回のテーマ。武器ではなく、庭園。造るひとが好き。
そんなに広いギャラリーではないのに、真砂さんの世界はなんて広いの!
イスラムの庭園をイメージした作品。原画は蛇腹の本。上に飾ってあるのはコピーしてそこに筆をいれたカード。
インドでもよく見かけるアップリケの手法を使ったタペストリー。大作。


8号位のダンボール製の画材に描かれた気の遠くなるような緻密な世界。

可愛い生成りバッグには手描きの植物達。

普段中々ゆっくり話をする時間がないけれど、今日は夕方まで時間あったので二人でインドの話で大盛り上がり。懐かしい 名前がたくさん出てきました。皆元気かな?
今日私が買った包ボタンのハットピン。ショールやカーディガンを留めるのに便利。誰かに気楽なプレゼントしてもいいですね。

宇都宮教室20周年記念コンサート



1996年の春、宇都宮でスタートした教室が20周年を迎えることになりました。蕨のスタジオまで習いに来ていたメンバーの一人渡辺さんが、是非宇都宮で教えてください。全部準備するので先生は来て下さるだけで大丈夫ですとの言葉に誘われて、あー、あれから20年!渡辺さんはほんとうにこのクラスをまとめるために尽力してくださっています。
紆余曲折を何度も経験し、 メンバーも移り変わり、教室も場所が変わりましたがインド舞踊を愛する気持ちは20年前と同じ。いつもひたむきで新鮮な気持ちで向き合いたいと思っています。このコンサートを機にまた一回り成長しますように。
コンサートまで3カ月を切りました。 メンバーそれぞれが自分の目標を見据えて頑張りましょう❗️

和太鼓とバレー



たまには歌舞伎やインド舞踊以外のパフォーマンスを見に行こうと友人に誘われて、王子駅前の北トピアで開催された『死と乙女』を楽しんできました。

和太鼓の林英哲、作曲家の新垣隆、振り付け船木城、そして久保紘一、そしてダンサーはNBCバレー団。

プログラムは第一部が林英哲と太鼓ユニット『英哲風雲の会』によるセッション。 生で聴く太鼓の迫力に身体中がワクワク弾みます。

第ニ部はケルツ。アイルランドの民族舞踊。抑圧されていたアイルランド人達は上半身だけ見ていると踊っているとは思われないように、下半身だけで踊っていたそうです。そこから生まれた悲しい歴史のある民族舞踊。ソロ、 デュエット、群舞。足がこんなに表情豊か なんて。
第三部は船木城の新作『死と乙女』 和太鼓と新垣隆の曲で、エゴン-シーレの絵からインスパイアされたコケティッシュとエロスが混じり合い、気持ちよく動く身体を見ているだけで楽しくなる。
ロビーで談笑している観客の多くが足が外股で姿勢がいいのが印象的。

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