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五月歌舞伎は團菊祭


普段、連休はどこも混んでいるので家の中でひっそりと鳴りを潜めているのだけれど、友人から誘いがあったので喜んでのこのこと出かけて行きました。團菊祭五月大歌舞伎。これはどんなに混んでいても出かけたいですね。
今回は菊之助の長男和史君が初お目見え。父方の祖父菊五郎と母方の祖父吉右衛門が後見。人間国宝二人がおじいちゃんなんて凄すぎ。
夜公演の最初の演目が『勢獅子音羽花籠 きおいじしおとわのはなかご』江戸庶民の憧れの的である鳶や芸者達が勢ぞろいして華やかに舞います。江戸時代は火事が多かったので大工や左官、鳶などが花形職業だったと聞いています。寺子屋は個別指導で職業別技能用語などを教えていたというから今の学校よりニーズがいい。
さて華やかなこの演目の最後に登場したのが今日一番の注目の和史君のお目見え。初日は花道でこけてパパに抱かれて登場とニュースで見ましたが、今日は初めからパパの腕の中。ご挨拶では床に突っ伏していましたが、最後は皆に手を振って観客の心を鷲掴み。こうやって小さい時から観客にお披露目して、観客のシンパシーを得て役者への成長を見守らせるという作戦。小さな手を振ってバイバイする姿に大きな声援が送られてこの作戦大成功。

二つ目の演目は『三人吉三巴白波 さんにんきちさともえのしらなみ』 菊之助のお嬢吉三、海老蔵のお坊吉三。そして松緑の和尚吉三。
節分の夜に大川端を歩いている夜鷹のおとせに美しい娘姿のお嬢吉三が道を尋ねます。同じ方向だからと気を許したおとせを襲って懐の百両を奪い、川に突落したお嬢吉三。ここで有名なセリフ『濡れ手に泡の百両、こいつは春から縁起がいいわい』 それを聞いていたお坊吉三がその百両を巻き上げようと争いになります。そこに通りかかった和尚吉三が二人を仲裁。
殺し合うことをやめお互い命拾いをしたお嬢とお坊は百両を和尚吉三に預けることに。そして三人とも吉三という名前を持つのも何かの縁と義兄弟の契りを交わします。今日は有名なこの芝居の一幕だけだが黙阿弥の季節感あふれる言葉がちりばめられた七五調の名台詞が楽しい。新之助、菊之助、辰之助の三之助が大人になって皆を魅了します。
この芝居全編のストーリーを読むと、そのあまりにおどろおどろしい内容にビックリしますが、今日は三人の出会いの場だけなので縁起物という感じ。華やかで粋。
次の演目は『時今也桔梗旗揚 ときはいまききょうのはたあげ』毛利討伐のため本能寺に陣を構えている小田春永(織田信長)の元に真柴久吉(羽柴秀吉)から馬盥(ばたらい)に活けた錦木が献上されます。春永の機嫌を損じて蟄居していた武智光秀(明智光秀)は妹桔梗のとりなしでお目通り叶うが、春永に馬盥で酒を飲めと強要され、若い頃の辛い過去を暴かれ万座の中で恥をかかされる。逃げるように愛宕山の自宅へ戻る光秀。
その自宅へ春永の上使が訪れて切腹を申し渡される光秀。白装束で上使を迎え死を覚悟していた光秀が、遂に堪忍袋の緒を切らし本能寺を責める決心をする一瞬。松緑が耐える男を熱演。こういう役を演じられるようになったんだなと感慨深い。
最後の演目は観客お待ちかね『男女道成寺 めおとどうじょうじ』 かって安珍への恋狂いで清姫によって鐘を焼かれた道成寺。久しぶりに鐘が再興されることになった道成寺に祝いの舞を舞うために現れた白拍子の花子と桜子。
二人の美しい奉納舞を堪能する人々。そのうち桜子の烏帽子が取れ、実は左近という男性狂言師だと正体がわかります。そして花子が一人踊るところに左近が加わり男女の舞を艶やかに舞います。最後は正体を現した蛇が鐘によじ登っての見得。
美しい二人舞に観客も魅入っています。海老蔵の左近、菊之助の花子、まさに美男美女。衣抜きもあるし華やかで浮世の憂さが一挙に飛んでいくよう。特に菊之助の踊りはブレがなくて上品な色気があって素晴らしい。本格的な海老蔵の踊りは初めて見たような気が?頑張ってるのはわかります。

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