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十月大歌舞伎


昨夜からの大雨の影響か、今朝はいろいろな線が遅れている様子。京浜東北線ものんびり徐行運転していました。途中から山手線に乗り換えたので開演前に無事到着。でも友人は散々な目にあったようで汗だくになって到着。お疲れ様。昨日初日を迎えた十月大歌舞伎。お楽しみはこれから!


第一幕は[音羽嶽だんまり・おとわがだけだんまり] 山中の神社に奉納された名刀と白旗。奉納の舞が始まる中で、踊り手に混じった盗賊の音羽夜叉五郎がその名刀と白旗を奪います。取り返そうとする将軍太郎良門達との戦い。暗闇の中で行われているという暗黙の了解がこのだんまり。まさに歌舞伎の見せ場になるはずが・・・。6人の役者と立ち回りの役者が繰り広げるだんまり。まだ二日目でこなれていないせいか、暗闇の緊張感が感じられず間延びした印象。先月の競伊勢物語の玉水淵で菊之助と又五郎が演じた二人の暗闇のスリリングな雰囲気を思い出してしまう。

 二幕目の「矢の根」は歌舞伎十八番の一つで荒事による祝祭劇だそうです。物語よりも様式が重要。荒事役者の真骨頂が試される作品。そういう意味では今回の松緑はいい味出しています。前回見た矢の根よりも一回りスケールが大きい曽我五郎を舞台に見ました。(前回がひ弱過ぎた?)

正月の相模国、曽我の家は五郎が矢の根(矢じり)を研いでいます。そこへ大薩摩の大夫が年始の挨拶に来て宝船を書いた縁起物の絵を置いていきます。五郎はそれを枕にしいて初夢を見ることに。ところが夢に現れたのは工藤の館に捕らわれている兄の十郎(坂田藤十郎) 目を覚ました五郎は身支度(二人の後見が矢の根の特徴ある化粧襷をかけるシーンもどんな姿になるか知っていてもワクワクします)を整え、ちょうどやってきた馬子を襲って馬を盗み、大根を振りかざしながらいざ出立。松緑に貫録が出てきたのでとても見ごたえある一幕になっています。

 今日楽しみにしていたのがこの演目。「一條大蔵譚・いちじょうおおくらものがたり」 仁左衛門が阿保のお公家さん一條大蔵長成を演じます。平家全盛の頃、一條大蔵長成は常盤御前を妻に迎えます。常盤といえば源義朝の妻で頼朝、義経の母。平清盛の寵愛を受けた後に大蔵に下げ渡された悲劇の女性。源氏の忠臣、吉岡鬼次郎(菊之助)は妻お京(孝太郎)と御前の本心を探ろうと大蔵の屋敷に潜り込みます。そこで見たのは揚弓に興じている御前の姿。鬼次郎は激しく叱咤します。ところが弓の的の下に隠されていたのは平清盛の肖像。常に弓で遊んでいるふりをしながら平家調伏の願いが込められていたのでした。

この様子を見た大蔵の家臣八剣勘解由は早速清盛に注進しようとしますがこれを制し、打ったのは阿保で知られる普段の姿とは打って変わって威厳にあふれた大蔵卿でした。平家一辺倒のこの時代に嫌気がさしていた大蔵卿は、狂言に熱中している、緩いキャラクターで世間をごまかし、時の政治などから一歩引いた世界に住んでいたのでした。

吉岡とお京に常盤御膳の身は命を懸けて守るから心配するなと言って二人を見送るのでした。仁左衛門のお公家様のなんと品のあること。阿保のふりをして戯れている様子の一つ一つが計算され、身についた育ちの良さが染み出て、大げさでなく、この人が演じると阿保までがこうも可愛い。冒頭屋敷の前で吉岡に対面した時に阿保のふりをしながら吉岡と目を合わせすべてを感知して、何もなかったかのように顔をそらす・・・。このシーンを見ただけで深い洞察力がうかがえます。天に顔を向けながらニコニコしている、天真爛漫な姿のチャーミングなこと。この演目を見ることができてラッキーでした。

 最後の演目は「文七元結・ぶんしちもっとい」人情劇の代表です。子供の頃に見た記憶があります。左官屋の長兵衛(菊五郎)は腕は立つのに大のばくち好き。仕事もしないでばくちに明け暮れているので女房のお兼(時蔵)とは喧嘩ばかり。ある日ばくちに負けて着物までなくして帰ると娘のお久がいない。

そこへ吉原の妓楼角海老の女将(玉三郎)が使いをよこして長兵衛を呼び出す。角海老に行くとそこには娘のお久が。なんと家の苦境を見かねたお久が身を売りに来たというでは。娘の心意気に勘当した女将が長兵衛に心根を入れ替えて仕事に精を出すよう諭し、借金を返すための50両を貸してくれ、娘は店に出さず3月まで預かるという。目が覚めた長兵衛は50両を胸に家路に・・・。

途中の大川端で店の売上金50両をなくしたために身を投げようとしている文七(梅枝)に会います。この窮状を見かねた長兵衛は大事な50両を文七にあげてしまいます。

長屋の戻った長兵衛はもちろん女房と大喧嘩。翌日もふて寝をしていると客人が・・・。なんと昨日の若者がお店のご主人と一緒にお酒を持って現れました。なくしたと思っていた50両は取り立てに行った店に置き忘れたことが判明。子供のころから文七の面倒を見てゆくゆくはのれん分けを考えていた主人は命の恩人と長兵衛を探し出し、おまけにのれん分けした文七とお久を結婚させたいと、角海老に借金を払ってお久を連れ帰ってきたではないか。昨日はいかにも山育ちの娘といったお久が一夜明けたらすっかりきれいな町娘になっていてビックリ。梅枝の文七は大金をなくして死ぬしかないと肩が落ちた風情がぴったり。いつも女形のきれいなお姫様を見ているのでこういう役も新鮮。いなせな町人の心意気が幸せをつかむという楽しいお話。菊五郎にぴったりの話です。

 今日は三越でお買い物ができなかったので歌舞伎座内のお弁当。色々入っていて美味しいです。

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