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セヴァスチャン・サルガド

Photo写真の好きな友人からもらったこのチラシ。まさに神様が降臨してくる様な美しい風景に目が釘付けになりました。この写真家の名前はセヴァスチャン・サルガド。ブラジル出身の71歳。やはり彼の写真のファンであるヴィム・ヴェンダース監督とセヴァスチャンの息子のジュリアーノが共同で監督を行った映画「セヴァスチャン・サルガド 地球へのラブレター」を見てきました。最近の渋谷はごちゃごちゃしていてなるべく行きたくないけれど文化村があるので仕方ない。私としてはイメージフォーラムがある宮益坂のほうが歩いていても気持ちがいい。

ミリオンダラーホテルやブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ、ピナ・バウシュなどの素敵な映画を撮っているヴェンダース監督がどういう映画を見せてくれるのだろうかという期待にワクワクしながら見てきました。

Photo_2映画の冒頭に出てきたのはブラジルの金の鉱山で働く男達を撮った信じられないような写真でした。写真家が語っているようにその写真はバベルの塔やピラミッドの建設現場のように見えます。すり鉢状の巨大な深い穴にかけられた無数の梯子。蟻のように穴に潜って土を掘り、その土の袋を担いでまた地上へと昇っていく。写真家は言います。まるで奴隷のように見えるが奴隷ではなく、自由意志でここへ来た男達ばかりだと。言い換えれば金の奴隷で、一獲千金をあてたものは二度と戻ってこないと。

最初の写真から心をわしづかみにされました。写真家と監督のエネルギーに圧倒されます。70年代から写真を撮り始めた写真家はルワンダの虐殺の現場や飢饉の土地、フセインによって焼かれた油田、その火を消すために世界中から集まった消防士。難民や移民、死や破壊、腐敗などをテーマに作品を発表し続けてきました。

息子のジュリアーノにとって「危険な場所に出かけて取材する父親はヒーローだった。でも帰宅すると黙り込んでいた」と子供のころを回想します。ルワンダの虐殺を取材した後は社会に絶望していたといいます。その後環境問題へ意識が向かい、乱伐で荒廃したブラジルの一族の土地に植林をして広大な森を復活させたそうです。そして取り組み始めたテーマがGENESIS・創世記。ガラパゴスやアラスカ、サハラ砂漠やブラジル熱帯雨林など生と死が極限に交わる未開の場所をカメラの収めているそうです。私が最初に見たチラシの写真はアラスカで撮られたものだそうです。

父親不在で育ち、いつの間にか父との間に確執が生じてきた息子。そんなある日、父が撮影に誘ったそうです。2009年から取材に同行したジュリアーノは父が被写体に迫るときの距離感に驚いたといいます。セイウチやシロクマの取材でも転がるように近くに寝そべって被写体に迫っていくそうです。まるでセイウチやシロクマが笑っているようにしか見えない写真。パプアニューギニアやアマゾンの奥地の原住民たちとも同じ目線で物を見て、すぐに打ち解けるそうです。被写体の顔が皆イキイキしています。父との撮影旅行を通じて父親を理解できた息子は「父は世界の証人。偉大さがわかり、その沈黙の理由もわかった気がする」と言っています。

小さな映画館ですが見事に満席。映画が終わった後に皆で拍手しました。happy01

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