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パプーシャの黒い瞳

Photo ジプシーの一族は書き文字を持たないそうです。100年ほど前に生まれたこの映画のヒロインは子供のころに文字に興味を覚えユダヤ人の女性に文字を教わります。この映画は初めて読み書きをおぼえ、自分の詩を文字にしたジプシーの女性のお話。

今はジプシーと呼ばずにロマと呼ぶそうです。狭い世界の中では、その中の常識と違うことをやると異端扱いされて住みにくくなります。他の世界へ飛び出して生きていける人はいいけれど、いけない人のほうが断然多い

第二次世界大戦後のポーランド。問題を犯して政府に追われていた詩人がジプシーの一団にかくまわれて一緒に旅をしていきます。その中に読み書きを知っている女性パプーシャがいて、詩人は興味を持ちます。彼女は日常生活のあらゆる場面でごく自然に美しい言葉を発しています。次々とあふれ出る言葉を彼女は詩とは認識していません。詩人は彼女にその美しい風のような言葉を書きとめることを勧めます。彼女の手によって記され紡ぎだされた言葉はまさに詩でした。

特赦が出て自分の町に戻れた詩人は彼女の詩を出版しようと画策。著名な作家の協力を得て詩集が刊行されます。一躍有名になったパプーシャ。最初は仲間達にも称賛されますが、かの詩人がジプシー社会についての本を出版。それが原因でジプシーの秘密しを暴露したと小さな世界の中で波紋を呼び、村八分状態に。

この本に対して500年もの間ベールに包まれていた秘密の世界。何故後20年出版を待てなかったのかと詩人に問うシーンが凄く心に触れました。今のこのネットの社会では私達が思っているより数倍早く変化が訪れると思います。ジプシーの世界だとて、どんどん変化しているのでは。先日新聞で見た記事にも我々は子供たちに将来どんな仕事に就きたいか問えないと書かれていました。その仕事が子供たちが成長した時にあるかどうかわからないと言うのです。

自分の言葉を封じ込め、心を病んだパプーシャ。歴史上はじめてのジプシー女性詩人と讃えられ、彼女の名前を冠したオペラ曲まで上演されたのに、その人生はなんて物悲しいのでしょう。戦前から戦後へかけてのジプシーたちの生活。馬車での移動。ナチスの時代、そしてポーランドの誕生と時代を再現したモノクロの美しい映像が印象的です。

岩波ホールでの上映が終わり新宿角川シネマで午前中だけの上映。平日だったし朝早いし観客はわずか。ちょっと人恋しくなってルミネのBERGでランチ。ここはいつも人が多くて賑やかで楽しくなります。

Photo 賑やかで活気のある店内。五穀野菜カレーと珈琲を楽しみながら、さっきの抒情的な世界を思い起こしていました。

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