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團菊祭

Photo 五月の歌舞伎座は恒例の團菊祭。十二代團十郎がなくなってはや2年。夜の部を見てきました。


Photo 幕が開く前の楽しい時間。


Photo_2
 夜の部の第一幕は「慶安太平記・けいあんたいへいき」。幕府転覆を企てている由井正雪に加担している浪人の丸橋忠弥(尾上松緑)。仕官のために大金を借りたのに飲んでばかりいるので、舅にはただの飲んだくれだと思われています。ある日お堀端の茶屋で店の酒を飲みほし泥酔状態。犬に絡まれ石を投げて追い払っているが、実はお堀に石を投げ入れて堀の深さを測っています。その様子をじっと見ているのが菊之助演じる老中松平伊豆守。番傘をさして待て待てと言うだけの役。

所変わって忠弥の自宅。舅に志を打ち明けます。それをふすまの陰で聞いていた母親はびっくりして自害。舅は志を応援する風を装いながらも実は老中に報告。見せ場の大獲物のシーンへつながります。大きな?が頭をよぎりますが、何故なのと考えないことに。何度かしか見ていないけれど、ボーっとしている感じだと思っていた松緑がいい身のこなしで立ち回りを演じているので思わず応援。井戸水浴びたり、戸板くずしをやったり大活躍。早くに後ろ盾を失い辛酸をなめている松緑には頑張ってもらいたい。


Photo_3 市川家に伝わる歌舞伎十八番のひとつ、「蛇柳・じゃやなぎ」。1763年に四代團十郎が初演を演じたそうです。昭和22年に十代目團十郎が創作上演。2013年に海老蔵が復活上演した作品が今回の歌舞伎座公演になったそうです。

高野山の院にある霊木、蛇柳は弘法大師が災いをもたらす大蛇を柳に変えたと言われています。この蛇柳に物の怪が現れるので住僧定賢(松緑)が退治するためにやってきます。そこへ現れた丹波の助太郎。もともとの原案ではこの助太郎は道化だったそうです。

今回、海老蔵扮する助太郎は白塗りの二枚目で登場。亡き妻への思いに狂い蛇柳の精魂に姿を変えていくという設定。能の様式をとりいれたような物狂いだけれど少々軽い感じがするのは否めない。蛇の黒子達がまとっている衣裳がなんだかてらてらしていて迫力に欠けるのも残念。以前玉三郎が演じた八岐大蛇で何人もの踊り手が絡まって大蛇を表現するのを見た時は度肝を抜かれたけれど、今回の蛇はちょっと小物?

蛇の精魂が荒れ狂い、それを封じると言う意味で花道から押し戻し役の金剛丸が登場します。この金剛丸も海老蔵が演じているので、後半の蛇の精魂はいつの間にか他の役者に変わっていたわけですね。金剛丸の荒事で、海老蔵もようやく本領発揮できてよかった。

押し戻しと言うのは恐ろしい魔を封じ込めて押し戻すことだそうです。押し戻しができるのは必然強い人物ですね。妖怪が本性を現して暴れ廻った挙句、花道へ出ようとするのを押しとどめ、舞台へ追い返す役ですから。きっと江戸時代の人々は恐ろしい魔物から救ってくれる超人の出現に拍手喝采したのでしょう。

Photo_4 江戸の町の火消しと相撲取りが些細なことからいざこざを起こして、命をかけた喧嘩に発展していくと言うたわいもない話。「神明恵和合取組・かみのめぐみわごうのとりくみ」。め組の喧嘩。火事と喧嘩は江戸の華という言葉を絵にかいたような話。期待していなかったこの芝居が何とも面白い。菊五郎が大活躍でイキイキとめ組の頭辰五郎を演じています。菊五郎はいなせな役がよく似合う。

鳶と力士の大立ち回りが華やかで楽しい。皆身体を鍛えているので見ていてとても気持ちがいい。菊之助演じる鳶は大きな纏を持ったまま屋根にたて掛けた梯子をぴょんぴょんと登っていい格好でポージング。声も姿も美しい。あの広い舞台だからこそできる演出に観客は大喜び。立ち回りが佳境を迎えたところで仲裁役の江戸座喜太郎が登場。双方の面子を立てた大団円。楽しい芝居も大団円。

Photo_7 今日の幕間弁当は亀戸天神ゆかりの幕の内弁当。スペシャルサラダ付き。御煮しめの美味しいこと。今日もお腹も心も満腹でした。


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