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片岡球子展

Photo_2 友人に誘われて竹橋の近代美術館で開催中の「片岡球子展」を見てきました。生誕110年記念と言うことです。長命な方で2008年に103歳で亡くなられました。晩年まで精力的にいい仕事をされていました。こんなに一堂に集まった作品を見る機会はないのでぜひご覧ください。

Photo 私が片岡球子と言う名前を知ったのは高校時代にアトリエの先輩が愛知芸大の日本画科に入学したからです。戦前から小学校の美術の先生をしていて、愛知芸大の設立に伴って教授として赴任したそうです。苦節何十年という認識があったのかもしれません。でもそんなことは本人にとってはどうでもい事だったのではと今回の展覧会を見て思いました。絵を描くことが第一。美術界での出世とか考える暇もなかったのではと思います。清々しいくらい絵にどん欲です。

今回の陳列は作品を作風で4章に分類。球子の興味や探究心が解りやすく展示されています。このチラシに描かれているのは「面構 足利尊氏」。このシリーズで足利三代将軍が黄色、赤、青(実際には緑)の御面相で描かれています。肩の張り具合やら微妙な表情で不気味なくらい多分こんな人物だったのではと思わせてしまいます。

1932 「第1章 個性との闘い」から初期の代表作である1932年の「枇杷」。写生を大事にしています。この後、球子はいろいろな展覧会に次々落選。自分らしい作品を描く苦労の時代が続きます。作品は気色悪い顔と評されたものも多かったそうです。けれども小林古径が球子に「君はこの気持の悪い作品を描いて描いて吐くまで描いてみなさい。そこから本当の自分の作品が生まれてくる」と励ましたそうです。

1954 「第2章 対象の観察と個性の発露」から小学校の教員時代の作品である1954年の「飼育」。以前の作品より顔の表情が立体的になってきました。

1956 同じく第2章の作品1956年の「初夏」。瑞々しい作品です。
1962_2同じく「第2章」の展示。1962年の「桜島の夜」

1967_21967年の「梅園」。梅の花弁を一つ一つ描いているけれど、まったく独特の形。クリムトを思わせるような色調。

1990_3 「第2章」の最後を飾るのはこの「富士に献花」。85歳の時の作品。肩が痛いとか、腰が重いとかなかったんでしょうね。絵を描くことに夢中です。と富士が言っています。

1961
 「第3章 羽ばたく想像の翼ー物語・歴史上の人物」から1961年の「幻想」。圧巻の絵です。雅楽の舞手をモチーフに左右に配して作り上げた不思議な空間。スケッチを沢山描くけれど、そのスケッチから球子独特の形を作りあげていくそうです。深い色合いは実物を是非見て欲しい。

1976_2 「第3章」には有名な面構(つらがまえ)シリーズも。これは1976年の「国貞改め三代豊国」。着物の柄や背景。どれも緻密で、絶妙な色遣い。日本画の顔料だけでなく油絵の具やキャンバスも使ったそうです。


1973_2
 1983年の「狂言者河竹黙阿弥・浮世絵師三代豊国」。2人の作家の背景に白波五人男がそろい踏み。

1988_2 1988年の面構シリーズ「浮世絵師歌川国芳と浮世絵研究家鈴木重三先生」と言う作品。時代を超えた2人の人物と、その1人である絵師が描いた作品が同一画面に描かれている素敵な作品。クジラの吹いた汐の中には魚もみえます。緻密かと思うとわざと稚拙にしたり。作品を舐めまわす楽しみがありますね。


00111986「第4章 絵画制作の根本への挑戦ー裸婦」。1980年代後半から晩年まで取り組んでいたのが絵画の基本である人物デッサン。常々基本が大事と言っていたようです。「基本があれば、スケッチは簡単」という言葉がメモに。基本ができていれば、そこからどんどん羽ばたけるのはすべてに共通しますね。

今回はピアニストの友人に誘われていい展覧会を見ることができました。多分彼女に誘われなかったら足を運ばなかったと思う。自分の好みだけで見るものを選んでいると、いいものを見そこなってしまうので信頼できる友人の言葉には乗るものですね。今日は会場の中で待ち合わせをしました。偶然2人とも第1室を見ているときにジョージア・オキーフを思い浮かべました。日本には球子がいたと自慢できます。











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