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華 いのち 中川幸夫

Img1先日見つけた映画のチラシ。なにやらおどろおどろしい雰囲気にぎょっとしてよく読んでみると・・・。2年前に93歳で亡くなった前衛いけばなアーティストの中川幸夫さんのドキュメンタリー。花をモチーフにしたアートです。

高知の裕福な農家に生まれた幸夫少年は幼いころに結核菌が脊椎に入って脊椎カリエスにかかり、病気のために上の学校へ通うことがならず印刷会社に丁稚に入る。そこで生涯の親友と出会う。病気のために背骨が曲がりいつも下を向いていた少年に親友は病気を卑下せず胸を張れ。いいものを見ろと歌舞伎や文楽や映画に誘ってくれたという。印刷会社で石板の仕事をしたことも色彩などの美意識を育てることになる。この親友は実家の印刷会社を継ぎ、後に中川の作品集出版に協力してくれます。

その後実家に戻った少年は祖父や叔母が師範をしている池坊の生け花の手ほどきを受ける。約束事がいろいろあるのに何故かと問うと答えが返ってこないことに反発。流派を捨て、今までの固定概念を打ち破り、花本来の生命を感じさせる生け花を目指す。そのころ京都の有名な庭師重森三玲主催の生け花の会「白東社」に参加。そこは流派を超えた華人が切磋琢磨してしのぎを削る虎の穴だったそうです。そこでやはり古流の家元を捨てて花と向き合っていた生涯のライバルでありパートナーである半田唄子女史と出会い、その後二人で東京へ出てきます。

そのころ華道新聞の記者をやっていたという脚本家の早坂暁氏は「華道会に対して重森三玲が放ったものすごいテロリストが二人やってきたという感じですね」と語っています。

写真家の土門拳と知り合うと写真を始めプロ並みの腕前に。棟方志功と知り合うと書を始め、いい字を書く。美術評論家であり詩人の滝口修三にアートと認めさせ、詩人中野重治に歌われる。陶芸家三輪休雪に「禁忌を犯す快感を味わった数少ない芸術家」と言わしめる。勅使河原蒼風や荒木経惟から賛辞を受ける。エネルギーのある人たちはおのずと人を知るのですね。クラクラするような人達ばかり。

球根を取った後破棄されるチューリップの花びらを何千枚も凝縮し棕櫚縄で包んだ作品や、不思議な形をしたガラス瓶に詰めてひっくり返し、花びらの赤い液がにじみ出ている坊主という作品。大きな石の上に押し固めた花びらをこてで粘土のように盛り上げて山にする。花を飾ると言う概念をひっくり返される作品達はまさに前衛アート。見ていて気持ちがよかった。

Img_000112 この瞬間をとらえるために6時間かけて撮影した作品。

Img_00012 これがチューリップを凝縮させて棕櫚で縛った作品。

Img_00013_3 これは陶芸家三輪休雪氏のハイヒールの陶器に唐辛子の一種を飾ったちょっと不気味な作品。これぞ禁忌を犯す喜び?三輪氏のお気に入り。


Img_00014 2002年に新潟県十日町の大地の芸術祭で行われた天空散華。100万枚の花弁が散る中で座ったまま踊る大野一雄。このシーンは本当に美しい。天に捧げる本来の花の姿はこれだ。これをやりたかったと語る中川幸夫の優しい顔がすごくいい。大野一雄氏の後ろにたたずんでいるのがご本人。何かをやる人達は皆集中力がすごい。

Photo 恵比寿の東京写真美術館ホールで上映中。

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