八月納涼歌舞伎
先日、日舞のケイ子さんから歌舞伎のチケットを頂きました。ラッキー。ケイ子さんは歌舞伎は毎月どの公演も見逃しません。以前は一日二部公演でしたが今年は歌舞伎座新開場杮葺落ということでこの八月まで三部公演です。他に明治座や新橋演舞場、日生劇場などの公演ももちろん外しません。おまけにカルチャーセンターで義太夫の先生の歌舞伎入門講座を10年以上受講しています。びっくりするような裏話も教えてくれます。フフ・・・。
義太夫の先生が主催した屋形船での暑気払いの会と重なったそうです。私がいただいたチケットは夜の部。演目は「狐狸狐狸ばなし」と「棒しばり」。ケイ子さんは後日一幕見で見るそうです。
昭和36年に作家の北条秀司が宝塚劇場で森重久弥、山田五十鈴、三木のりへい、中村勘三郎(十七世)という配役で上演して大好評だったお話だそうです。平成7年に当時の勘九郎(勘三郎の息子)が新派公演で演じ、翌年歌舞伎座にかけ、以来何度か上演されています。こうやって現代の作品も古典になっていくのですね。
上方の女形上がりの手ぬぐいや伊之介(中村扇雀)、女房のおきわ(中村七之助)、その間男(意味わかる?)の破壊坊主の重善(中村橋之介)、そして伊之助の手代又市(中村勘九郎)が中心人物。
軽妙な台詞、スピーディな展開、狐と狸がだましたりだまされたりのどんでん返しで場内笑いの渦。初心者でもこういう解りやすくて面白い芝居を見たら、また歌舞伎を見たいと思いますね。
私が楽しみにしていたのはこちら。「棒しばり」狂言で見たことがあります。それを舞踊で見れるのが楽しみ。酒好きな2人の家来、太郎冠者、次郎冠者を残して出かけなければならない曽根松衛門。どうしたものかと思案して浮かんだ妙案。まず棒術の得意な次郎冠者をだまして後ろ手に棒にくくりつける。太郎冠者も上手くだまして後ろ手に縛り、安心して出かけます。
棒に縛られた次郎冠者(三津五郎)、後ろ手に縛られた太郎冠者(勘九郎)。飲めないとなると余計飲みたくなるのが人情。上手く蔵に忍びこめ、協力し合って大きな甕から酒を飲み始めます。縛られた者同士があの手この手で酒を飲むしぐさがおかしい。
やがて酒の肴に舞おうと言って、まず太郎冠者が小舞を。次に次郎冠者が棒を巧みに使って舞い始めます。三津五郎の舞が絶品。やがて二人で連れ舞。これも楽しい。歌舞伎役者ってやはりすごいなと堪能しました。
昨年亡くなった十八世の中村勘三郎がこの棒縛りで三津五郎とよく踊っていたそうです。その時は彼が次郎冠者(棒に縛られるほう)だったそうです。この二人のやり取りが絶妙だったと聞きます。2人とも名人ですものね。狐狸狐狸ばなしも勘三郎が伊之助をよく演じていたそうで今は息子たちが継いでいるわけですね。どうしても勘三郎だったらと言う風に今は見てしまいますが、どんどん経験を積んで頑張ってほしい。でも勘三郎のあの天性の花は忘れられないですね。
後日譚・・・、9月の公演のパンフを見て面白そうなので早速ネットで予約をいれようと試みました。予約受付開始日を何日か過ぎていたのでどうかなと思っていたら。すべて完売。お見それしました。そうなると余計見たくなるのが人の情。一幕見で並ぶ?
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