« お堀端で楽しむオリエント | トップページ | あれから二年 »

先祖になる

Img2 渋谷のイメージ・フォーラムで上映中の映画です。岩手県陸前高田。津波の被害が多かった地域です。そこに住んでいる佐藤直志さん。78歳。農業と林業を兼業している昔堅気の一徹な、でも可愛い爺様。仲間から親分と慕われています。

あの日、消防団員の長男は足の不自由な老人を背負って逃げる途中、濁流にのまれてしまいました。家は2階まで水が上がったそうです。でも55年前に地元陸前大工の手によって建てられた家はしっかりしていて、あの揺れにも激しい水の勢いにもびくともしないで建ち続けています。

いくらしっかりした建物でも一度水が入った家はもう中がぐしゃぐしゃで暮らせません。それでも2階にビールケースを敷き詰めて大きな寝床を作り奥さんとお嫁さんと三人でしばらく暮らしていました。樵なので自然の中で暮らす術を心得ています。水さえあれば何とか暮らせる。

遅々として進まない市の復興計画。諦めた人びとがこの地を離れていく中で、彼はこの土地にもう一度家を建てる決心をします。この地で生まれ育ち息子の亡くなったこの土地。これから先の子孫のために。今はたった一人でも、いつかここにまた住む人たちの先祖になろう・・・。奥さんもお嫁さんも仮設住宅に移転。一人ぼっちです。

自分で山に入り木を切り出します。club その木を切り分けて柱にします。友人から土地を借り田植えをして米を作る。古い家が取り壊されたので掘立小屋のなかで一人暮らし。家が出来上がっていくのを見守っています。大工さんには茶の間の近くに仏間を作ってとリクエスト。そして寝床の中からご来光が見えるようにとも。sun

この直志爺様がおちゃめで優しくって魅力たっぷり。木を切るときに森の精霊にお参りしたり、仏間でご先祖と息子さんにお供えをしてまつったり。夏祭りの世話役や上棟式のおひねりの用意など昔からのならわしを大事にしている姿が頼もしいです。happy01 復興が進まない中、彼は自身の内側からの力で前向きに進んでいます。実は本人はがんを患っていて腰の痛みに耐えながら。それでも笑顔を絶やしません。こういう本当に内側の強い人達がきっと他にもいるのでしょうね。そしてそういう人たちが私達のご先祖様なんでしょう。

淡々と映し出されるシーン。そこに人間の強さをジーンと感じます。今朝テレビを見ていたら何と直志爺様が・・・。可愛い笑顔で元気に新しい家で生活している様子が映し出されていました。けっぱれ!

映画を見ることで応援したい。今は渋谷ですが全国ロードショーが決まっているようです。是非機会を作って応援して。いや、きっと直志爺様の笑顔に逆に癒されるでしょう。

« お堀端で楽しむオリエント | トップページ | あれから二年 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1196131/50645696

この記事へのトラックバック一覧です: 先祖になる:

« お堀端で楽しむオリエント | トップページ | あれから二年 »

2017年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

プシュパム・メンバーのブログ ↓