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きれいは汚い・・・

Photo 着物をたたむ発想か?A4サイズのチラシが折りたたまれた状態。表と裏。

世田谷パブリックシアターで上演されているマクベスを見てきました。先日、野村萬斎がTVに出たのを見た会津のHさんが萬斎を見たいと言った時に「チケット取るのが大変」と一言で却下してしまいました。大体まめにチケットをとる気もなく、面白そうな公演を見付けた時には終わっていたというのが現状。ぴあで調べたら萬斎さんのほとんどの公演がソルドアウト。忘れた頃、世田谷PTのHPを見ていて、ひょっとしたらと探したらありました。私がいける日でなんと1席。それも中央寄りの前から6番目。これを逃したらまたいつ見れるか・・・。という訳でHさん、ごめん。見てくるね。happy01

マクベスは初演から三回目の公演だそうです。確か2年位前に見たいと思った時にはすでに全席売り切れだったのを思い出しました。再演するたびに演出を変えるのですね。今回は能と狂言にインスパイアされた 和のテイストの舞台。海外公演も視野に入れています。チラシも折りたためるようになっているし、大道具も能舞台の作り物のような雰囲気。布の使い方が上手い。風呂敷マクベスとワークショップでは命名していたそうな。sign03インドでも舞台の大道具に布をよく使います。舞台の上で大きな布がはためいているのを見ると胸が騒ぎます。fuji 最後に木の模様の大きな垂れ幕がひっくり返ってマクベスに覆いかぶさるシーン。白い裏布が雪になってすべてを埋めつくしてラストを迎えます。翻弄された心が静まるにはこの雪が不可欠。以前、能の竹雪(たけのゆき)で継母に命じられて雪かきする少年月若が雪に埋もれて死んでしまうシーンを思い出しました。あの時子方の友枝大風君、長い時間白い綿入れの下で耐えていましたね。健気。萬斎さんもじっと垂れ幕の下で耐えていました。そういえばあの時継子いじめをする後妻の役は萬斎でした。若い後妻が子供に嫉妬するなんともいえない色気が出ていました。

衣裳も狂言や能の装束をアレンジしています。マクベスとマクベス夫人以外の登場人物を人の魔女を演じる役者がそれぞれ演じているので、複雑な人間関係がすっきりしている。対立していくマクベス軍との対比がよく呑み込めてストーリー展開が解りやすかった。

それにしても野村萬斎の身体能力すごいです。おまけにすごいスケジュール。健康管理もすごいですね。本公演中に能の公演で狂言を演じる日があります。狂言や能の演者たちは子どものころから日々の鍛錬を行っているからでしょうか。演目が身体に沁み込んでいるのでしょう。おまけに演者の現役時間が長い。

開演前から舞台に置いてあった四角いステンレス(?)の枠。丸い大きな穴があいていてそれが世界、森羅万象すべてを象徴しているよう。穴をくぐってあちらの世界とこちらの世界を行ったり来たり。穴の向こうから三人の魔女が客席を覗いていると。まるでなべ底から魔女を眺めているような錯覚に陥ります。やもりやかえるを煮て秘薬を作る魔女の鍋。

マクベスに出てくるたくさんの名セリフの中でも一番印象に残るのは「きれいは汚い。汚いはきれい。」冒頭で三人の魔女たちが言う台詞。この矛盾する言葉をオクシモロンというそうで、シェイクスピアはいろいろな作品に多用しているそうです。特にマクベスでは「真であり偽りである」といった二面性がテーマになっています。一つのことをポジで考えるか、ネガで考えるか。

台詞の面白さが能の謡に通じているようでこの和のティストのマクベスはすんなり入っていけます。魔女の予言で王殺しという大逆を背負ってしまうマクベス。願望が欲望になってしまう男の悲劇。さらに「女から生まれた者にマクベスは倒せない」や「広大なバーナムの森がダンシーネの丘に向かってくるまではマクベスは滅びない」という予言に恐れを隠して自分をだまして安心しようとする男の小心。

久しぶりの芝居。楽しかった。

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