« 嬉しい再会 | トップページ | 綺麗な美術館 »

ポロックを堪能

Img2 竹橋の近代美術館で開催されているジャクソン・ポロック展。美術の中心をパリからニューヨークに移すけん引力になった画家の生誕100年を記念した大回顧展です。モダンアートが話題になったころから彼の作品は美術雑誌の表紙を飾り、眼にはしていましたが本物を見るのは初めて。

小学校や中学校の美術の時間に流し絵とか吹き絵とかやりましたよね。あれを広めたといえばあーと思うかも。1912年に生まれて44歳で飲酒運転の事故(自殺説も)で亡くなりました。初期の作品からモダンアートに芽生えた頃、絶頂期の作品、そしてそこから新たな作品を生む苦しみと葛藤の時代の四つのパートに分けて展示してあります。

初期の作品の中で母親を中心に父と兄弟が周りを取り囲んでいる「女」という作品が印象に残りました。真ん中に坐している女が妙にグロテスクで威圧的。周りの男たちの軽薄さと対比しています。マザコンだったのかしら?地方主義という作風の画家に傾倒していた若いころの作品です。

Photo_2 そのころの作品「西へ」というタイトル。家族はしょっちゅう引っ越しをしていたそうです。金融恐慌などもあって暗い時代でもあったのですね。

Photo_3 モダンアートに参入した頃の作品、勢いがいいですね。Blue Moby-Dick. 彼の愛読書は「白鯨」だったそうです。このころの作品に書道のような潔さがあるものが目につきました。

Photo_4 これが今回の目玉作品でもある「インディアンレッドの地の壁画」 1976年にテヘランの現代美術館に買い上げられた作品で200億円とか!そのころ彼はもう亡くなっています。買い上げたパーレビ国王もそのあとすぐに革命でアメリカに亡命。この作品も門外不出だったそうです。こんなに遊んでいるようで無駄な線がない。

残念ながら私が買ったはがきセットの中に最後の苦悩の時代の作品がはいっていません。ブラック・ポーリングという黒い顔料を地塗りしないキャンバスにじかに垂らして、今までと違う効果のある作品になっています。絶頂期の作風から一転してまた新しい作風を生み出そうと苦悩している心と作品の黒く太い線が一致しているように思えます。

まるでソロコンサートを見ているような、部屋を変わるたびに新しい驚きがあって、躍動感に満ち溢れた展覧会です。美術に興味がなくても楽しめます。描いてみたくなるかも。

Photo_5 これはおまけ。彼のアトリエのレプリカ。撮影OKです。エド・ハリスが主演した「ポロック 2人だけのアトリエ」という映画があるそうです。2人というのは画家である妻のリー・クラスナー。献身的に彼を支えたそうです。彼女がヨーロッパに旅していて留守の時に事故で亡くなったそうです。最後の日々を過ごした女性(奥さんではない)に私は画家と何度も口走っていたそうです。つらいですね。

15歳で飲酒を覚え、アルコール依存症から立ち直りかけていたのに、またお酒に手をだしてしまった。アメリカを代表する画家として期待されていた故のプレッシャーも大きかったのでしょうか。そういえば国の宝と称賛されていたH・ヒューストンもコカイン中毒だったそうですね。才能と繊細さと危ういバランス。それを思うとピカソってやはり超人。

Photo_6 この作品は48年に制作に着手しながら放置されていたものを、彼の死後妻のリー・クラスナーが手を入れて完成に近づけた作品だそうです。型抜きされた今にも歩きだしそうな人型・・・。


« 嬉しい再会 | トップページ | 綺麗な美術館 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ポロックを堪能:

« 嬉しい再会 | トップページ | 綺麗な美術館 »

2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

プシュパム・メンバーのブログ ↓