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素敵な本

最近読んだ素敵な本を紹介します。原田紀子さんがまとめた「能への扉」。能の本というと、能楽堂の中の様子やらしきたりやらのガイドブックはたくさん出ていますが、この本は実際の演者たちがそれぞれの職分について語った話をまとめたもので、読みやすく味わい深い話がたくさん綴られています。シテ方、ワキ方、お囃子方それぞれの心持、お稽古の様子、能への思いなど、人間として凛と生きる姿が端々にあふれていて読後感がいいです。

93歳でお亡くなりになった、笛方の人間国宝の藤田大五郎師の語りが最初に出てきますが、お能一筋の潔い人生が素直な言葉で語られていて心が洗われます。

「もう年をとりますと余計なことはなるべく考えないで、負担を軽くすることが大切です。つまらないことを考えてばかりいると、自分のやることを間違える。そうではなしに、ちゃんと子供の時に教わったことをそのまま何遍でも繰り返していくことでいい。」と能の窮地をかたっています。人生の達人でもありますね。

登場する方達が皆、お能と出会えて幸せだと語っています。小学生ですでに能楽師になろうと決意したとか、兄弟でお能ごっこをやって遊んでいたとか、自分のポーッとした子供時代と比べて赤面の至りです。しかるに環境も重要ですね。本番の前に皆揃ってのリハーサルをしないというのは知っていましたが、鼓などはその日の天気や劇場の様子で湿気が違うので工夫するとか、謡をリードする地頭によって曲の雰囲気が変わるとか、興味深い話が随所に出てきます。インド舞踊もオーケストラのメンバーは普段から曲が入っているので、踊りの振り付けに重要なムリダンガムとボーカル以外のメンバーは事前に一度曲合わせをするくらいです。プロはすごい。

先日、金春流の能楽師の方がピアノの方とコラボレーションをしたプログラムを観てきました。会場は紀尾井小ホール。実は去年の9月に行うはずだった公演ですが、金春の79世宗家が8月に亡くなり、急きょ追善公演にということで半年延期されたのです。初めて見る形態なのでどういう風に構成されるのか興味深々。お囃子方の代わりにピアノの演奏が行われました。時に優しく時に激しく。謡とセッション。舞台には松の代わりにアメリカ人の日本画家による屏風絵が飾られていて、初めて観る人たちにもわかりやすい面白い舞台でした。いろいろなことを体験、実験して、最終的に古来の形式に戻るのでしょうね。ご本人も最終的に素晴らしい能楽師になりたいと語っていました。

さて、5月のコンサートまで3カ月を切ってしまいました。 今の段階ですでに曲の理解に開きが出てきています。練習することが最善の方法。実際に身体を動かせない時にはイメージトレーニングするのは当然の義務です。同じ舞台、同じチャンスは2度はありません。

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