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鷹の井戸

2 2003年に宇都宮の美術館で「ダンス」という面白い企画展がありました。ダンスをイメージした絵や版画、ポスター。戦前、戦後活躍した日本のモダンダンスを牽引したダンサーの写真、そして古い雨が降っているような映像などが展示されていました。そのポスターとカタログの表紙がなんともインパクトの強い衣装をまとった女性(イトウテイコ)の写真でした。説明には1939年に東京で上演された「鷹の井戸」の写真だそうです。

そもそも、鷹の井戸はアイルランドの詩人イエーツフェノロサの能に関する遺稿に刺激されて新作能として書いた作品だそうです。イギリスでは1916、17年に上演され、この時に鷹の約を演じたのが伊藤道朗(千田是也の兄で戦前欧州で活躍した舞踊家)。テイコの義兄です。

Img2 ね、ちょっとすごいでしょう。昭和初期のレトロな感じもありますね。

物語は孤島に枯れた井戸があって、本の一瞬、が湧くことがあって、それを飲むと不老不死になると言い伝えられています。老人はもう何十年もその水が湧くのを待って井戸のそばを離れられません。そこに若者が噂を聞いて、自分こそこの水を飲むべき選ばれた者だと言ってやってきます。若者が井戸に近寄ると、井戸を守っている雌鷹が現れ両者の間に激しい戦いが起こります。その時、にわかに霊泉がわき出ます。しかし両者の戦いに気を奪われていた老人が駆け寄った時はすでに水が引いた後でした。老人ばかりでなくこの若者もまた人間らしい幸せをなげうち,幽鬼に身を変え永遠の命の水を待ち続けるであろう・・・という人間の悲しい業のなせる話でした。

このポスターを見てから、もし上演されることがあったらぜひ見たいと思っていたのです。今回は能役者の梅若幻祥が老人役。バレエダンサーのヤンヤン・タンが雌鷹。モダンダンスの森山開次が若者で、それぞれが見事な身体表現を見せてくれました。演出も衣装も洗練されていました。見せ場を作りすぎて見せ場がなくなってしまったような感じもしました。もっと泥臭くてもいいのでは。いつもの能楽堂に比べて若い観客が多かったです。森山開次素敵。ちなみにフィノロサは梅若實に謡曲の指導を受けたそうです。

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